宇宙、行ってみたいですね。
今現在宇宙に行こうとすると、ロケットを使わないといけません。そして完璧に整えられた生命維持装置の中で過ごし、いつかは資源が尽きてしまうので地球に安全に帰らないといけない。
このために高価なロケット、生命維持装置、帰還モジュールが必要になります。
これでは宇宙、行ってきます、と気軽に言えません。

宇宙に行くためには、地球で必要なものを作り出し、それを軌道まで持って行きます。
地球の重力というのはそれが存在するだけでエネルギーを持っています。
1kgの物を上に1m上げるだけで、W=mghの法則に従って、9.8Jのエネルギーが必要になります。
何か物を宇宙まで持って行くには、原理的に必ずエネルギーを消費しなければなりません。

地球にある高度なテクノロジーを使えるのはとても良いですが、折角の装置を持っていくためだけに多量のエネルギーを消費するのは割に合いません。
これを解決するために軌道エレベーターのような仕組みも考えられています。これでもやっぱりコストはかかります。

小惑星には資源があります。地球と同じような岩石が宇宙に浮いているんです。それなら小惑星を捕まえて、資源を取り出し、それを使って宇宙に住めばいいじゃないか、って思いませんか?
そこで小惑星資源をどうやって取り出すかを考えてみました。

地球資源はどうやって集められているのでしょうか。
その辺の石を拾って、精錬してもあまり金属は取れません。
鉱脈を探し当てて、それにそって掘ることで目的の元素が濃縮された場所を獲得するのが鉱山です。
ではなぜ濃縮されたのか?
地球はマントルの上にあり、日々近くが動いています。そのため、地下のマグマは絶えず噴出します。
地殻は海溝に沈み、水を巻き込んでどんどん熱い方へ落ちていきます。
水と岩石が反応して、ドロドロに溶けた物になります。
ここで、大きな結晶が成長したり、分離したりします。温度差、密度差などによって同じような性質を持った鉱物がどんどん一箇所に集まっていきます。

水自身も鉱物を濃縮します。地下に入った水は高い圧力を受けて、沸点が高くなり100℃以上の高温になります。このような水は岩石の一部を溶かします。この水は温度の低い場所へ到達し、溶かしだした鉱物を結晶化させます。

このようなプロセスを経て地球の鉱物は鉱脈を形成し、濃縮されていきます。人間はその恩恵を受けています。

翻って、小惑星ではどうでしょう?
ここには液体の水も、火山もマグマもありません。
40億年前から変わっていない世界です。資源はどのように分布しているのでしょうか。

太陽系が出来た当時はこの辺りに熱いガスが溜まっていました。
このガスは塵となり、凝縮して、どんどんと大きな塊になっていきました。
塊は衝突を繰り返し内部に熱を溜め込みました。また、40億年前は放射性元素が豊富にありました。この崩壊した時に発する熱は現在よりもずっと大きいはずです。ある一定以上の大きさの小惑星は内部が溶けていた可能性があります。
このような小惑星は重力に従って重い物が下に、軽いものが上に分離します。
そのうちに冷えて固まります。もし偶然そこで大きな衝突が起こり、小惑星がバラバラになれば、重い部分も一緒に砕けて露わになります。

金属は重いですからそのような重い小惑星を探せば資源が沢山とれるかもしれません。

では、そんな有望な小惑星を見つけたことにしましょう。そこからどうやって使える物を取り出しましょうか?

石をそのまま使うのはちょっと大変そうです。最初はある程度地球から道具を持って行かないといけないでしょうう。小惑星の資源は地球と比べるとあまり濃縮されていないので、多くの岩を処理しなければなりません。
金属を取り出すためにはエネルギーが必要です。それをどこから持ってくるかというと、太陽光しかありません。

つまり一番最初の小惑星鉱山は、石を切り出して囲いを作り、そこに太陽光を集光して温度を高くして反応させ、出てきた資源を回収して利用する形式になりそうです。
反応が熱だけで済めば楽です。蒸発した金属を石の囲いに付着させ、それを刈り取ります。
このようなことが出来る金属といえば鉛、錫、亜鉛です。これらは古代から精錬が簡単で、広く利用されていました。
まず石を用意し、建設する。火が無いので太陽光で熱をかける。それによって精錬しやすい金属を得て、また建設に使う。宇宙でも人類の歴史をそのままトレースするかのようですね。

亜鉛が取れたら次は銅、鉄とグレードアップしていくのかな?